PEST分析は大企業だけではなく、中小企業ビジネスにも影響する要素です

PEST分析とは環境分析で、Politics(政治)、Economy(経済)、Social(社会)、Technology(技術革新)の頭文字を取って『PEST』と呼ばれています。これらの4つの要素は大企業でも、小規模事業であっても必ずビジネスに影響を与えているので無視することができません。

例えば、昨今のトランプ大統領による関税や大統領令などによって為替が大きく変わってしまうような場合、輸出入業者にとって商売上の影響を受けることになりますが、我々のような小規模事業者においても影響が出てきます。

円高になれば、輸入する海外製品の価格は安くなる可能性がありますし、円高になればその逆です。日本は天然資源が少ない国です。ガスやガソリンなどの燃料だけではなく、それらから派生する化学原料や製品の国内流通価格に影響が出てきます。輸入依存度の高い食品も影響を受けるものがあります。例えば、小麦や大豆などは、関税や為替の影響を受けやすい輸入品が多くなっています。

そのため、直接的ではないかもしれませんが、連鎖して私たちの生活やビジネスにも影響があります。

昨今のコメ価格上昇は飲食店経営者にとっては頭の痛い問題ですが、この要因として、天候不良による不作だけではなく、過去にコメの減反政策が敷かれていたことも背景にはあるようです。更には、昨今の社会情勢として、海外からの観光客が増加して消費が増えていること、国内インフレ傾向にあることなど様々な要因が重なっていることによって、コメ価格は上昇していると言われていますので、やはりPEST環境によって、大きく左右されていると言えます。

自社事業のリスクや商機を発見することができるPEST分析とは

上記の事例のように、政治・経済・社会・技術革新の4つについては以下のポイントを押さえ、常にアップデートしておくことによって、自社のリスク、商機を常に考えることができるようになります。

ステップ1:把握すべきPESTを特定する
自社の経営、製品やサービスに対してどのようなPESTを押さえるべきなのかを把握する必要があります。私がマーケティングで新たなビジネスに携わるときには即座にこの辺りをチェックしています。

 政治: 国の政策、業界団体の政策、関連法規、規制、補助金など
 経済: 景気、為替、経済指標、金利など
 社会: 文化、トレンド・流行、世論調査、人口動態変化など
 技術: 新たな技術革新、特許、最新製品など

ステップ2:効果的な情報収集の仕組み化する
押さえるべきPESTを把握したら、それらの情報を効果的に日々、収集できる仕組みを作ります。どのようなメディアを押さえるべきかを把握し、毎日自動的にフィードされるようにします。ニュースサイトでキーワード登録して受信できるようにすることがおススメです。

 ニュース、新聞 
 業界専門誌
 SNS (X、Facebook、Instagramなど)
 その他(政府機関発表資料、調査会社レポート)

ステップ3:トレンド分析と戦略的行動を日々実践する
このようなトレンドが長く続きそうなのか、この傾向が続いたときに自社はどうすべきなのかを日々考えて行動していきます。このようにすることで、資料にまとめる際に、イチから情報収集する必要がなくなります。

このステップがマーケッターの基礎体力になっていきますのでぜひ押さえていきましょう。

自社のマーケティング力強化についてのご相談は、お問い合わせよりお待ちしております。